毎年クリスマスが近づくと、街中にクリスマスツリーが飾られますよね。
何気なく見ているクリスマスツリーですが、起源や意味を知っていますか?
クリスマスツリーについて詳しく知ることで、今年は今までよりクリスマスの雰囲気を深く感じられるようになるかもしれません。
ここでは、そんな知っているようで知らなかったクリスマスツリーの起源や意味についてご紹介しましょう。
このページの目次
クリスマスツリーの起源とは?
クリスマスツリーはキリスト教が起源になっていると思っている人も多いかもしれませんが、実は聖書にはクリスマスツリーは出てきません。
では、聖書にないクリスマスツリーがクリスマスに欠かせないものになったのはなぜなのでしょうか?
樹木崇拝
クリスマスツリーの起源は、樹木崇拝ではないかと言われています。
樹木崇拝とはキリスト教が広まる以前からローマ帝国を中心としたヨーロッパに存在した習慣です。
ヨーロッパでは古くから樹木や木立を尊いものとして信頼し礼を尽してきたそうです。
クリスマスツリーができた理由
キリスト教にとって元々自然崇拝は価値のないものだったそうです。
ですが、古くからある樹木崇拝の習慣をなくすことが難しく、樹木をキリスト教としての木にすることで、古くからあった習慣の中に自然とイエスへの敬意を含め、キリスト教を普及する手掛かりにしたと言われています。
日本ではいつから飾るようになった?
では、日本ではいつごろからクリスマスツリーを飾るようになったのでしょうか?
クリスマスツリーは今では宗教に関わらず、多くの家庭で飾られていますよね。
それだけでなく、日本の冬を彩るシンボルとしてなくてはならない存在になっています。
クリスマスツリーが日本ではじめに飾られたのは?
日本で最初にクリスマスツリーを飾ったのは、1860年、プロイセン王国の使節オイレンブルクだと言われています。
プロイセン王国とは当時のドイツ帝国内の指導的国です。
クリスマスツリーが日本人によってはじめて飾られたのは?
日本人によってクリスマスツリーが飾られたのは、それから14年後の1874年だと言われています。
実業家の原胤昭が、明治学院大学の前身である築地大学で開かれたクリスマスパーティーで飾ったそうです。
原胤明はキリスト教の信者で、洗礼を受けることができたお礼に開かれたパーティーでの出来事でした。
クリスマスツリーが日本で広まったのは?
1886年12月7日に明治屋という会社が横浜で外国人船員向けにクリスマスツリーを飾ったそうです。
それにより、12月7日はクリスマスツリーの日と呼ばれるようになりました。
その後、1900年に明治屋が東京銀座に進出して、そこで当時は珍しかったクリスマスツリーを店頭に飾り、大きな話題になりました。
同時期に、神戸ではクリスマス用品の生産が始まっています。
明治屋はクリスマスツリーを飾っただけでなく、クリスマスセールやクリスマスイルミネーションも行ったことから、今のクリスマスの雰囲気を明治屋が広めたといっても過言ではありません。
クリスマスツリーの木の種類
クリスマスツリーといえば「モミの木」ですよね。
樹木崇拝をキリスト教の習慣として取り入れる際に、キリスト教が崇拝する樹木の対象として挙げたのがモミの木でした。
モミの木は横から見ると三角形の形に見えますよね。
それが、キリスト教の教えである三位一体を象徴しているのです。
父なる神が頂点、子(イエス)と聖霊が底辺の両端となっているのです。
また、モミの木が対象に選ばれた理由として、常緑樹であることも挙げられます。
常緑樹は一年中葉が落ちず緑色を保っています。
それが不滅、つまり永遠を象徴しているのです。
常緑樹であること以外にも、モミの木は材質に優れ、丈が高く、香りがある事から主にキリス教での神殿の建物に使われていたということも、モミの木がクリスマスツリーによく使われる理由の一つだと言われています。
クリスマスツリーの木、日本で使われるのは?
クリスマスツリーに広く使われるモミの木ですが、実はかなりたくさんの種類があるそうです。
そのため、クリスマスツリーの本場ヨーロッパで使用されているモミの木と、日本で使用されるものの種類は異なります。
ここでは、日本でよくクリスマスツリーに利用される木の種類をご紹介しましょう。
ウラジロモミ
日本原産のウラジロモミはマツの種類に属する日本原産のモミの木です。
葉の裏側が銀白色のため、全体がグレーに見えるのが特徴です。
室内でも育てやすく、価格も手ごろで枝が丈夫なため、日本のクリスマスツリーとして広く利用されています。
ドイツトウヒ
日本国内では最もクリスマスツリーとして使われることが多い木です。
ウラジロモミに比べ成長が早いため、低価格で手に入ります
葉の色も濃いため、よりクリスマスツリーの雰囲気が強く出ます。
ただし、枝が弱く控えめな飾りつけしかできないというデメリットもあります。
ホンモミ
日本原産のモミです。
樹形が三角錐になりにくく、室内では育てにくいためあまり多くは流通しませんが、迫力があるため、より本格的なクリスマスツリーを楽しみたい人に人気です。
シラビソ
日本原産の針葉樹で、シラベとも呼ばれています。
標高1500mの亜高山地帯に分布する樹木で樹形が美しいのが特徴です。
ゴールドクレスト
ゴールドクレストの名称でクリスマスの代名詞となった樹種。
柱状形の樹形で黄金色の葉が特徴です。
室内でも育てやすいため、多くの園芸店で手に入ります。
刈り込むことで、様々な樹形を楽しむこともできるメリットもあります。
オレゴンモミ、ノーブルモミ
葉が柔らかく、枝が密集していてボリュームがあるのが特徴です。
流通量が少く手に入りづらいのですが、クリスマスツリーとしては最もイメージにピッタリで見応えがあります。
ピセア・プンゲンス
銀青色の葉がとても美しく、クリスマスツリーに使用されるなかでは最も高級感のある種類です。
成長が非常に遅いため、とても高価です。
クリスマスツリーとして購入するよりは、お庭のシンボルツリーとして植え込むことが多いようです。
クリスマスツリーの飾りの意味
クリスマスツリーには、様々な飾りつけをしますよね。
その意味を知っていますか?
実は、クリスマスツリーの飾りつけにはそれぞれ意味があるのです。
ここでは、そんな意味を一つ一つ見ていきましょう。
クリスマス・カラー
飾りつけに関してみて行く前に、カラーについて知っておきましょう。
クリスマス・カラーというと、赤・緑・白、ゴールドですよね。
このクリスマス・カラーにはそれぞれ意味があるのです。
緑
緑はクリスマスツリーの木です。
常緑樹は一年中緑を絶やさないことから、永遠の命を示しています。
赤
イエスが私たちを救うために十字架の上で流した血を表しています。
そのことから、神の愛の象徴でもあります。
白
雪の色を示しています。
その意味は、純潔さや清められた魂です。
ゴールド
キリストの降臨を知らせたベツレヘムの星を示しています。
気高さを象徴しています。
クリスマスライト
クリスマスライトとは、クリスマスのイルミネーションです。
以前はロウソクが使用されていたそうです。
安全に使用できるため、徐々に電球に切り替わり、今では様々なイルミネーションが行われるようになりました。
これらのライトは、空に輝く星を示しています。
トップスター
クリスマスツリーには木の頂点となる部分に、大きな星が飾られていますよね。
これは、東方の博士(賢者)たちをイエスへと導いた星を示しています。
オーナメントボール
古くはアダムとイブが食べた知恵の木の実を象徴するリンゴが飾られていたそうです。
それが派生して光沢のあるメッキボールになりました。
靴下
サンタクロースのモデルとされているニコラオスが貧しい家の子供たちを助けようと窓から家の中に金貨を投げ入れたそうです。
それが暖炉のそばにかけてあった靴下に入ったという逸話から、幸せの象徴として靴下が飾られるようになりました。
リース
円の形が、神の永遠の愛を象徴しています。
鐘
イエスキリストの誕生を知らせる鐘の音を表しています。
キャンドル
イエスキリストを表す「世を照らす光」を象徴しています。
ヒイラギ
イエスが十字架に付けられる前にぶらされたいばらの冠を象徴しています。
赤い実はイエスが流した血を、緑の葉は永遠の命を意味しています。
キャンディー・ケーン
キャンディの硬さは、人々を堅く守ってくれる岩であるイエスと、岩のように堅い信仰を表しています。
キリスト教で人々は羊に例えられることがあり、その羊飼いのステッキを表す形となりました。
クリスマスプレゼントはツリーの下に置く?
みなさんは子供の頃、クリスマスの朝どこにプレゼントが置いてありましたか?
クリスマスのプレゼントというと、クリスマスツリーの下においてあるイラストをよく見かけますよね。
では、一般的にサンタクロースから子供に贈るクリスマスプレゼントはどこに置かれるのでしょうか?
クリスマスツリーの下にプレゼントを置くのはなぜ?
クリスマスツリーの下にプレゼントを置くのは、アメリカの習慣だと言われています。
アメリカでは、クリスマスより前にもらったプレゼントをツリーの下に置いておき、クリスマスの朝にあけるという習慣があるようです。
枕元に置く
クリスマスプレゼントの置き場として、枕元や足元など子供が寝ているところという家庭も多いようです。
とても手軽な方法ですが、置くときに子供が起きた時や、夜中にトイレに起きた時に見つかってしまうというリスクもあります。
ツリーの下に置く
枕元に次いで、夜のうちにクリスマスツリーの下に置いておくという家庭もあります。
朝まで子供に見つかる危険もなくおすすめの方法ですが、兄弟がいた場合にどちらがどちらか混乱するという意見もありました。
おすすめの方法
ここでは、子供がサンタクロースを信じてくれるおすすめのクリスマスプレゼントの置き方をご紹介します。
まず、大きい靴下を準備します。
そこに、子供からサンタクロースに手紙を書いて入れておきます。
ほしいプレゼントもその手紙の中に書いておきましょう。
それを、12月の頭ごろに回収して、代わりにお菓子を入れておきます。
これが、サンタクロースが手紙を持って帰ったという合図になります。
そして、25日の朝にクリスマスツリーの下にプレゼントを置いておきます。
その際、メッセージを添えると効果的です。
靴下に入るくらい小さなプレゼントなら、枕元の靴下に入れてもいいでしょう。
もし入らない場合には、プレゼントはツリーの下にして、靴下の中にはお菓子を入れるのがおすすめです。
起きた時に、それがサンタクロースが来たサインになるのです。
これは、ドイツで一般的に行われているやり方だそうです。
ぜひ試してみてくださいね。
まとめ
いかがでしたか?
街中を彩るクリスマスツリーですが、その意味や由来を知っていることで、また見え方が違ってくるのではないでしょうか?
クリスマスというと本来キリスト教の祭典ですが、今では日本中の人が楽しむ年末の一大イベントですよね。
これを機に、クリスマスの歴史についてもっと詳しく勉強してみる、というのも面白いかもしれません。
今年もみなさんに楽しいクリスマスが訪れますように!