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クリスマスは宗教によって違う?日本とアメリカの違いや祝えない宗教とは

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日本において、クリスマスはイエス・キリストの誕生日であるという認識が一般的です。
しかし、新約聖書にはキリストの誕生日を特定するような記述はありません。
現にアメリカでは、クリスマスはあくまでキリストの降誕を祝う祭日であり、キリストの誕生日当日という認識はされていないのです。

またクリスマスは、はじめからキリスト教の祭事だったわけではありません。。
今では世界中の多くの地域で祝われているクリスマスですが、その起源はどこにあるのでしょうか。
またクリスマスを祝うことができない宗教は存在するのでしょうか?

今回はクリスマスと宗教についてみていきます。
少し真面目な話題となってしまいますが、クリスマスの過去の姿に想いを馳せるのもロマンチックですよ。

クリスマスの起源はキリスト教ではない

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今ではクリスマスはキリスト教の祭事であると広く認識されています。
しかし、クリスマスは元からキリスト教の祭事だったわけではなく、他の宗教の祭事を転用して誕生したものなのです。
以下ではキリスト教の歴史を背景に、クリスマスの起源に迫ります。

ローマ帝国におけるキリスト教の公認

キリスト教の起源は紀元前1世紀まで遡ります。
当時、キリスト教は決して多くの人に信仰される宗教ではなく、ローマ帝国により迫害を受けていました。
しかし、西暦313年に時のローマ帝国皇帝であるコンスタンティヌス帝がキリスト教を公認する勅令を発します。
これがミラノ勅令です。
キリスト教の隆盛はローマ帝国に公認されたこの時から始まったのです。
しかし公認当時、キリスト教において特にクリスマスを祝う習慣はありませんでした。
キリスト教がクリスマスを祝うようになったのは、当時のローマ帝国に存在した他の祭事を転用したためなのです。
何の祭事を転用したかという点については、以下の2つの説があります。

ミトラ教の太陽祭

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キリスト教が公認される以前、ローマ帝国ではミトラ教が信仰されていました。
ミトラ教は太陽神ミトラスを主神とする宗教です。
このミトラ教においては、12月25日に太陽を祝う祭事を行っていました。
なぜ真冬に太陽なのかといいますと、12月下旬に冬至があることと関係します。
1日の長さは冬至で最も短くなり、冬至の後から夏至にかけてどんどん長くなっていきます。
ミトラ教においては冬至を境に太陽神が息を吹き返すと考えられており、そのため12月25日に太陽神を祝う祭事が行われていたのです。

キリスト教は313年にローマ帝国に公認されてから、破竹の勢いで広まります。
その過程で最大のライバルであったミトラ教の祭事を取り込み、クリスマスを作り出したのです。
これがクリスマスの起源がミトラ教の太陽神を祝う祭事にあるとする説です。

サートゥルナーリア祭

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ローマ帝国では12月17日から12月23日までサートゥルナーリア祭という農耕の神様を祭る祭事が行われていました。
これがクリスマスの起源であるという説もあります。
サートゥルナーリア祭はローマ帝国における最大の祭りであったとされ、この祭りでは主人も奴隷も関係なく大騒ぎが連日連夜続けられました。
祭の期間中は正装をやめ、大いに飲み食いをして盛り上がったのです。
まさに無礼講といった趣の強い祭です。
西暦392年のローマ帝国におけるキリスト教の国教化に伴い、このサートゥルナーリア祭がキリスト教と同化し、今のクリスマスになったとする説があります。

クリスマスの起源

このように、キリスト教には元はクリスマスを祝う習慣はありませんでした。
しかし、ローマ帝国において公認され、国教化される過程でキリスト教はローマ帝国に存在した文化と融合し、クリスマスを作り出したのです。
現在でこそクリスマスはキリスト教の文化であるといって差し支えはありませんが、元はキリスト教とは別の祭事だったのですね。

クリスマスを祝うことができない国

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現在クリスマスは世界中で広く祝われています。
キリスト教を信仰していない人であってもクリスマスを一種のイベントとして楽しんでいるのです。
しかし、世界にはクリスマスを祝うことができない国も存在します。

サウジアラビアはクリスマスを祝わない

クリスマスはイスラム教国家でも広く祝われていますが、サウジアラビアでは別です。
サウジアラビアは国教としてイスラム教を指定しており、別の宗教の祭事を大々的に祝うことを禁止しているのです。
そのためサウジアラビアにおいて、クリスマスは特に祝われません。
これは外国の文化から自国の文化を守るための政策です。
同様にサウジアラビアではバレンタインも祝ってはいけないとされています。

日本の宗教とクリスマス

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現代の日本では当然にクリスマスが祝われます。
11月中頃には街中でクリスマスのイルミネーションが灯りはじめ、クリスマスソングが流れてきます。
しかし、日本で長く信仰されてきた宗教は神道であり仏教です。

このような日本において、なぜここまでクリスマスが根付いたのでしょうか。
以下では日本におけるクリスマスの歴史をみていきましょう。

キリスト教の伝来と弾圧

1549年のフランシスコ・ザビエルによる布教を契機として日本にキリスト教がもたらされました。
1552年には現在の山口県において、カトリック教会の宣教師が日本人の信徒を招き、キリストの降誕祭を行っています。
これが日本における最初のクリスマスです。
その後、豊臣秀吉や徳川秀忠によりキリスト教への弾圧が行われ、長らく日本においてクリスマスが祝われることはありませんでした。

クリスマス商戦

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日本においてクリスマスが市民権を得たのは1900年に入ってからです。
この年、銀座において明治屋がクリスマス商戦を展開したことが日本にクリスマスが浸透するきっかけとなりました。
その後、時代の経過とともにクリスマスは人々の間に浸透していきます。
時代が昭和に入ると、東京を中心にクリスマスの文化が一気に花開きます。
1927年から1948年まで日本においては12月25日が休日でした。
12月25日が休日であったこともクリスマスが広く世間に受け入れられたことに大きく関係しています。
その後12月25日は休日ではなくなりましたが、クリスマスは年中行事として世間に浸透し、今に至るまで盛大に祝われているのです。

日本は他宗教に寛容

このように日本において本格的なクリスマスは商戦の一環として始まりました。
1953年、鎖国が解かれたと同時に日本には海外の文化が続々と流入してきます。
当時の日本には積極的に海外の文化を取り入れる姿勢があり、クリスマスもその一環として日本に入ってきたのです。
つまり、クリスマスはキリスト教という特定の宗教の行事としてではなく、あくまで海外の年中行事として市民に受け入れられました。

また日本で広く信仰されている神道と仏教は共に多神教の傾向を持ちます。
そのため、キリスト教が日本に入ってくることについても寛容です。
キリスト教における神も、日本では多神教における神のうちの1人でしかないのです。

このように日本においては、クリスマスはそもそも宗教色を持たない海外の文化として受け入れられました。
また日本では多神教が広く信仰されていたことから、キリスト教文化を取り入れることについて大きな抵触もなかったのです。
その結果、現代では日本においてもクリスマスが盛大に祝われるようになりました。

まとめ

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以上のように、現在はキリスト教行事の代名詞ともいえるクリスマスは、元はローマ帝国で行われていた祭事でした。
キリスト教が勢力を増す過程でその祭事を取り込み、キリスト教のクリスマスが形成されたのです。

現在クリスマスは世界中で広く祝われていますが、宗教上の理由からサウジアラビアのようにクリスマスを祝うことができない国も存在します。
日本においては当初、クリスマスは宗教色が強い行事としてではなく企業の商戦の一貫として取り入れられました。
そして、他宗教に寛容な神道および仏教と上手く融和し、現代のクリスマスが形成されてきました。

今でこそ私たちの日常にしっかりと溶け込んでいるクリスマスですが、今に至るまでにはこのような経緯があったのですね。
今年はクリスマスの過去の姿に想いを馳せてみるのも素敵かもしれません。

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