最近クリスマスシーズンになるとシュトーレンをよく見かけますよね。
ここ数年、ケーキ屋、パンやなど多くのお店で取り扱われるようになりました。
そんな一大ブームを巻き起こしているシュトーレンですが、由来やクリスマスに食べられる理由を知っていますか?
ここでは、知っているようで知らないシュトーレンについて、詳しく見ていくことにしましょう。
このページの目次
シュトーレンとは?
シュトーレンとは、14世紀にドイツで発祥したといわれています。
ドライフルーツやナッツを練り込み香辛料を効かせたバターたっぷりの菓子パンです。伝伝統的なシュトーレンは、現在はドイツやオランダを中心に食べられているそうです。
クリスマスまでシュトーレンを食べる理由
では、ドイツでクリスマスにシュトーレンを食べるのには、どのような理由があるのでしょうか?
シュトーレンは今まで日本人にはほとんど馴染みがなかったので、よく知らないで食べている人も多いと思います。
シュトーレンはキリスト教では、とても重要な意味を持っているのです。
シュトーレンとは、古くは布教活動につかわれた使われていました。
およそ700年前からドイツではクリスマスの贈り物として、シュトーレンを司教様に献上していたそうです。
その流れを受け継ぎ、今でもクリスマスを祝うお菓子として愛されているのです。
シュトーレンの形
シュトーレンは独特なごつごつした形をしていますよね。
そしてまわりは、白いパウダーシュガーで覆われています。
その形はイエスの赤ちゃんの頃の形をしており、幼子イエスを産着で包んでいるように見えると言われていいます。
シュトーレンの意味
シュトーレンという名前はドイツ語で「坑道」を意味しています。
そのトンネルのような形からこの名前がつけられたそうです。
シュトーレンをクリスマスに食べる理由
シュトーレンのキリスト教での位置付けは「、イエスの誕生日を待ちながら食べるお菓子」ということです。
シュトーレンをクリスマス当日までに毎日1枚ずつ食べることは、イエスの誕生を心待ちにしていることを意味しているのです。
クリスマスまでの4週間をアドヴェント(待降節)と呼びますが、ドイツではこのアドヴェント(待降節)の間に毎日少しずつシュトーレンを食べます。
シュトーレンの中のフルーツやナッツの風味など日に日に生地へ移っていきおいしくなるため、今日よりも明日、明日よりも明後日、というようにクリスマス当日がだんだん待ち遠しくなるのです。
シュトーレンの種類
シュトーレンには地域によっても様々な種類があります。
ここでは、主なシュトーレンの種類をご紹介します。
- マンデルシュトレン(Mandelstollen):生地にアーモンドパウダーなどを練りこんだもの
- マルジパン / ペルシパンシュトレン(Marzipanstollen / Persipanstollen):マジパン、もしくはペルシパンをベースにしたもの
- モーンシュトレン(Mohnstollen):生地にケシの実を練りこんだもの
- ヌッスシュトレン(Nussstollen):生地に各種ナッツを練りこんだもの
- クワルクシュトレン(Quarkstollen):生地にクワルクチーズ、フレッシュチーズなどのチーズ製品を練りこんだもの
- ブターシュトレン(Butterstollen):生地に外側にバター、中にレーズン・アーモンド・ドライフルーツを練りこんだもの
シュトーレンが日本で流行したのはいつから?
では、近年日本でこれほど爆発的にシュトーレンの人気が出てきたのはなぜでしょうか?
またいつ頃からブームになっているのでしょうか?
日本でシュトーレンが流行した理由
日本で初めてのシュトーレンは、1969年に福岡県の老舗洋菓子メーカー、千鳥饅頭総本舗がドイツから持ち込んで販売したと言われています。
その後、鳥越製粉のドイツパン研究会やパン屋が集まるドイツパン・菓子勉強会などで地道に広まってきました。
この効果で少しずつパン屋に取り扱う店が出てきて、それが、SNSで一気に拡散した、ということです。
その背景には、少子化などの影響でクリスマスが「大人のイベント」化していることがあります。
シュトーレンの歴史やオシャレさが合わさって、日本では大人のクリスマスを象徴する食べ物に成長したのです。
また、様々なアレンジがあり店によって味が違うことで、店ごとにオリジナルが生まれ違う店のものも食べたいと購買意欲をそそることも理由の一つです。
日本でシュトーレンが流行したのはいつから?
では、シュトーレンが爆発的に流行したのはいつ頃だったか覚えていますか?
いくつかの説がありますが、その発端は2014年から青山パン祭りで食べ比べが行われたことだと言われています。
そこにパンブームが巻き起こったことで、多くの店舗で取り扱われるようになりました 。
小売店にとっても救世主だった
少子化により、クリスマスケーキの売り上げは減少傾向にあると言われています。
11月から12月頭にかけては10月末のハロウィンからクリスマスまで、大きなイベントもなくお店としても少し間延びしてしまう時期です。
そこにシュトーレンがぴったりとはまったのです。
シュトーレンは賞味期限が長いため廃棄のリスクも小さく済みます。
またオリジナル性を出しやすいという特徴も、様々な店舗が取り扱いするようになった理由でしょう。
シュトーレンが日持ちするのはなぜ?
では、シュトーレンはパンにも関わらずなぜ1か月近くも日持ちするのでしょうか?
シュトーレンはアドヴェント(待降節)の間に毎日食べることが前提で作られています。
そのため、保存料を使用しなくてもレシピ自体が日持ちするようになっているのです。
いかに、日持ちする理由を挙げてみましょう。
- 使われる水分が少ない
- ドライフルーツは洋酒に漬けられている
- 高温で焼き上げる
- 焼きあがった後、全体に溶かしバターを塗って粉砂糖でコーティングする
- 生地に隙間がなくしっかりと締まっている
表面がコーティングされているので空気に触れる面積が少なく、切った切り口の部分は次の日にも食べることになるため傷むリスクのある部分は日々切り取られていきます。
また砂糖は常温でもカビが生えないので、表面が砂糖でコーティングされていることでカビを防げるのです。
毎日スライスして食べる際に注意すること
シュトーレンは毎日少しずつ食べるものだと言われても、本当にそういう食べ方をしている人は少ないかもしません。
毎日スライスして食べる場合には、いくつか注意点があります。
- 手やナイフなどシュトーレンに触れるものは清潔に保つ
- コーティングしている粉砂糖を落とさない
- ラップなどでできるだけ空気に触れないようにする
- 冷暗所、湿気の少ない場所に保管する
暖房した室内に置いておくと、どうしてもカビなど腐敗するリスクが高まります。
そのため、暖房をしていない部屋か、もしくは冷蔵庫で保管しましょう。
冷えすぎたら、軽くレンジで温めるのもおすすめです。
家庭でできるシュトーレンのレシピ
シュトーレンでは自宅で作ることもできます。
レシピには様々なものがありますが、ここでは中種法から作る本格レシピを1つご紹介しましょう。
材料(20×10cmのもの2本分
強力粉(フランスパン用があればベスト)50g・・・A
インスタントドライイースト(耐糖性)4g・・・A
牛乳(40℃)50ml・・・A
強力粉(フランスパン用があればベスト)200g
塩3g
グラニュー糖25g
卵黄1個分
マジパン40g
無塩バター100g
カルダモンパウダー・ナツメグパウダー 合計1g(割合はお好みで)
ドライフルーツ(長期保存した場合は洋酒に漬けたもの)150g
アーモンド(刻んだもの、オーブンでローストしておく)40g
無塩バター(仕上げ用)100g
粉砂糖適量(仕上げ用)
準備
Aの牛乳にドライイースト溶かしてから強力粉を混ぜ、1時間ラップをして常温で発酵させます。
バター、マジパンは常温に戻しておきます。
作り方
マジパンとグラニュー糖をダマにならないように少しずつ擦り混ぜ、最後に塩を加えます。
ホイッパーで空気を含ませ、卵黄を加えクリーム状になったら、強力粉を加えてそぼろ上にする。
下準備した生地を加えひとまとまりにした後、常温で30分寝かせます。
フルーツ、ナッツの順に混ぜ、まとまったらさらに30分寝かせます。
形を整えた後さらに30分間寝かせ、30℃で1時間発酵させます。
焼き・仕上げ
180℃に予熱したオーブンで40分焼き、熱いうちに仕上げ用のバターを溶かしてしみこませます。
粉砂糖を全体にまぶし、冷暗所で保存します。
できてすぐでも食べられますが、1週間ほど寝かせてから食べるのがおすすめです。
シュトーレンの人気お取り寄せショップ
ここでは、シュトーレンをお取り寄せできる人気のショップをご紹介しましょう。
第1位、フロインドリーブ
(参照:http://freundlieb.jp/shitoren/)
生地にフレッシュバター・ナッツ・ドライフルーツをふんだんに練りこみ、煉瓦窯で丁寧に焼き上げられたシュトーレンです。
クリスマス期間中保存できる本格配合で、日を追うごとに深まる風味は、絶品です。
500g 2200円 (税別)
第2位、パレスホテル東京
(参照:http://freundlieb.jp/shitoren/)
パレスホテル東京からは、ノーマル、豆と栗に黄な粉と柚子がアクセント、ほうじ茶の3種類のシュトーレンが販売されます。
日本風にアレンジされたシュトーレンは食べ比べをしたい人におすすめです。
1個 2800円(税別)
第3位、ツオップ
しっかりとした化粧箱に入っているのでプレゼントにおすすめです。
さすがドイツパンのお店だけあって、ドライフルーツは半年以上香辛料と共に寝かせており、風味が豊かな本格シュトーレンです。
1個 3200円(税別)
まとめ
いかがでしたか?
シュトーレンには、歴史と宗教的な意味があったのですね。
シュトーレンを食べたことがない人は、ぜひ一度食べてみてくださいね。
また食べたことある人は、今年はドイツ風にクリスマスまで毎日少しずつ食べてみるのはいかがでしょうか?
また、手作りシュトーレンにチャレンジしてはいかがでしょうか?
本格的な手作りシュトーレンはクリスマスまで味の変化を楽しむのも、プレゼントするのもおすすめです。
シュトーレンと共に、素敵なクリスマスを迎えてくださいね。