大草原の小さな家のエピソード【クリスマスの心暖まるお話】
大草原の小さな家でのクリスマスエピソード
日本で1975年から1982年にかけて放映され人気を博した、海外ドラマ「大草原の小さな家」
その人気ドラマのなかの1エピソードです。
主人公ローラには仲の良い男の子の友達がいます。その子のお家は農業を営んでおり、たくさんの兄弟の末っ子として生活しています。
そんな男の子はサンタクロースを信じていて、クリスマスイブにトナカイにのったサンタクロースがプレゼントを届けてくれることを心待ちにしていました。
そんな男の子のところに上のお兄さんがきて、こう言います。
「サンタクロースなんているわけないだろう?プレゼントはね、お父さんが準備しているんだよ!」と。
そんなお兄さんの言葉を信じられない男の子は
「そんなのうそだい!」
と一生懸命反発します。
「そんなこというなら、こっちに来て見てみろよ」
そんな弟の反発にはびくともせず、お兄さんは弟を近くの納屋へ連れて行きます。
男の子がお兄さんの後について納屋に入ってみると、果たして、そこにはお父さんが用意した家族へのプレゼントがたくさん隠してあったのです。
それを目の当たりにした男の子は、
「お兄ちゃんのいうことは本当だったんだ……」
と、とてもガッカリしてしまいます。
しばらく時間が経ち……。
夕方になって仕事を終えたお父さんは、納屋の前でしょんぼりと座っている弟の姿に気がつきます。その寂しげな姿をみたお父さんは、弟の隣に腰を下ろし
「どうしたんだ?」と訊ねます。
男の子は悲しげに
「本当はサンタさんなんていなくて、あれはお父さんが僕たちに?」
といって、納屋に隠してあったプレゼントの山を指さしました。
お父さんはそんな男の子の姿を見つめると
「なあ、プレゼントを待っている子供たちは世界にどのくらいいると思う?」
と穏やかに聞きました。
「わからないけど、きっととても大勢の子供が待っているよね」
「そのとおり。とてもたくさんだ。でもサンタさんはひとり。クリスマスまで子供たちのプレゼントを全部持っているのは大変だ、そうだろう?」
「そうだね……」
「だから、サンタさんはクリスマスの前に子供たちのいる家の納屋に、こんな風にプレゼントをこっそり隠しているんだよ」
「えっ!本当に!」
「本当さ。でも、このことはサンタさんの大切な秘密なんだ。だからね、お前もこのプレゼントはみなかったことにしておくれ。誰にもこのことを言ってはいけないよ」
「うん!わかったよ!」
男の子は明るさを取り戻し、元気にそう答えました。
クリスマスの夜。
納屋に隠してあったプレゼントは家族に配られ、兄弟たちは楽しそうに自分に贈られたプレゼントを開けています。
そんな中、一人だけプレゼントがもらえなかった子供がいます。そう、それは男の子に「サンタクロースの真実」を話して、夢を壊そうとしたお兄ちゃんです。
実はこの兄弟のお父さん、男の子の夢を守ってくれる優しさだけを持つだけでなく、とても厳しい一面も持っているんです。
実際、仕事から戻って納屋の前でしょんぼりとうなだれる男の子をみた時のお父さんは、「一体あんなところで何をしているんだ!?」と咎めるような、厳しい目つきをしていました。
しかし、男の子の話を聞き、サンタクロースの夢が壊されそうになっている、そのために気落ちして元気をなくしているとわかった途端
「なあ、プレゼントを待っている子供たちは世界にどのくらいいると思う?」
と、優しく語りかけはじめたんです。
だからこそ、お父さんは男の子の夢を優しく守ってあげると同時に、夢を壊そうとしたお兄ちゃんに、プレゼントを渡さないという厳しいお仕置きをしたというわけです。